Recette 32 ロールケーキ
厚めのふわふわスポンジにたっぷりの生クリームを巻いた表巻きのロールケーキです。
生地のキメやオーブンの火加減によって、スポンジにヒビが入ったり、焼き面がシワになったり剥がれたりするため、シンプルなのに綺麗につくるのが地味に難しいお菓子。
初心者には最後のおまけで紹介している”裏巻き”がおすすめ!
表巻き(焼き色が表面)……焼き面にひび割れやハゲができやすく巻くのが難しい。完成後に乾燥しにくく、しっとりした状態が長持ちする。(最初に紹介している巻き方)
裏巻き(焼き色が内側)……ひび割れにくく巻きやすい。完成後に乾燥しやすい。表面にナッペする場合、クリームがすべらないので裏巻きの方が塗りやすい。(おまけで紹介している巻き方)
難易度(表巻き) ☆☆☆☆
(裏巻き) ☆☆☆
所要時間 約40分(+焼成時間12分+冷蔵時間30分以上)
【材料】(約18cm 1本分)※底が約19×27cmの型を使用しています。
≪スポンジケーキ≫
卵 M3個
グラニュー糖 60g
薄力粉 40g
無塩バター(サラダ油) 20g
≪クリーム≫
生クリーム 100ml
砂糖 10g
※仕上げに粉糖をふりかけてもOK。多少のシワやひび割れも隠せます。
【手順】
①スポンジケーキをつくる
②生クリームを立てる
③巻く
【製法① スポンジケーキをつくる】
準備① 型にクッキングシートをしき込む。
・型よりもひとまわり大きくクッキングシート(30×24cm)を切る。底の大きさに合わせて4辺に折り目をつけ、角から折り目まで切り込みを入れる。折り目をつける際、ひっくり返した底に切ったクッキングシートをのせ、あとを付けておくと綺麗に折りやすい。
準備② 薄力粉を2回ふるう。
準備③ バターを電子レンジで溶かす。(600w 約20秒)
・飛び散ることがあるので、ふんわりとラップをかけておく。
・20秒で溶けなければ、少しずつ時間を追加して様子を見つつ溶かす。
・あとで生地の一部を加えて合わせるので、少し大きめの耐熱容器で温めるといい。
・サラダ油を使用する場合、この準備③は不要。
準備④ オーブンを200℃に予熱する。
1、卵黄と卵白に分けて卵を割り入れる。
・卵白に卵黄が混ざらないように注意する。(卵白に卵黄が混ざると、卵黄の油分によって卵白の泡立ちが悪くなる。)
2、卵黄にグラニュー糖の半量(約30g)を入れ、ホイッパーですり合わせる。
3、卵白に残りのグラニュー糖の半量(約15g)を入れ、ハンドミキサーの高速で泡立てる。
・一度にグラニュー糖を入れると卵白の泡立ちが悪くなるので、2回に分けて入れる。
4、もったりするまで泡立ってきたら、残りのグラニュー糖を全て(約15g)を入れ、再びハンドミキサーの高速でツノが立つまで泡立てる。
5、低速でキメを整える。(約1分)
・生地のキメが均一でなかったり、荒かったりすると、と巻いた時に割れる原因になる。
6、2で先にすり合わせておいた卵黄に5の卵白(メレンゲ)を1/3入れ、混ぜ合わせる。
・卵白(メレンゲ)は今回3回に分けて入れる。
・泡をつぶさないように混ぜる。
7、卵白(メレンゲ)をもう1/3入れ、ある程度混ぜる。
・混ぜすぎないようにするため、混ざりきらないまま次の工程に進む。
8、準備②でふるった薄力粉を入れ、ある程度混ぜる。
・生地を底からすくい上げるように、手早く混ぜる。
・前の工程と同じく、混ざりきらないまま次の工程に進む。
・卵白(メレンゲ)と薄力粉を交互に入れることで、生地が馴染みやすく、泡がつぶれにくくなる。
9、残りの卵白(メレンゲ)を全て入れ、混ぜ合わせる。
・8の薄力粉が完全に混ざり切る前に卵白(メレンゲ)を入れ、粉だまがなくなるまで混ぜ合わせる。
10、準備③で溶かしたバターに生地の一部を入れ、よく混ぜてから生地の全体に入れて混ぜる。
・溶かしたバターが底にたまらないように注意。
・バターは人肌くらいの温度になっているのがベスト。
・どうしてもスポンジがひび割れる場合、溶かした無塩バターを常温のサラダ油に差し替える。風味は落ちるが、生地がしっとりするので多少は巻きやすくなる。
11、準備①の型に生地を流し入れる。
・流し入れてから、軽く混ぜる。
12、生地を均一な厚さにのばす。
・泡が潰れてしまうので、できるだけ手数は少なく、短い時間で平らにする。(動画ではドレッジ(カード)を使用しているが、ゴムべらでもOK。)
13、温めたオーブンで焼成する。(200℃ 約12分)
・焼き加減はオーブンによって微妙に異なるので、温度や時間はあくまで目安。様子を見つつ微調整する。(生地の真ん中を指で軽く押してみて、戻って来るような弾力があれば焼けている。逆に、シュワッと沈んでしまった場合は、もう少し焼く。)
14、軽く落とす。
・ショックを与えておくと、熱い空気が抜けて、冷めてからも沈みにくくなる。
15、型からはずし、側面のクッキングシートをはがす。
・型の余熱でスポンジがパサパサになってしまうので、型からは熱いうちにおろしておく。
・冷める時に、シートに引っ張られてスポンジが縮んでしまうので、側面のクッキングシートは熱いうちにはがしておく。(乾燥を防ぐために、底のクッキングシートはそのまま。)
16、ふちを軽くおさえる。
・そのままだと外側のふちは焼き縮みする。
17、ケーキクーラーにのせて冷ましておく。
・乾燥している時は、ひび割れ防止のためにラップかクッキングシートをかぶせておく。ただし、しっとり焼けている生地にラップをかけると、湿気で焼き色がはがれてしまう場合がある。
【製法② 生クリームを立てる】
1、生クリームと砂糖を氷水にあてながらハンドミキサーで泡立てる。
2、はねる場合はラップをかけ、しっかりツノが立つまで立てる。
・ハンドミキサーにラップがまきこまれないように注意する。
【製法③ 巻く】
1、冷めたスポンジにラップをかぶせ、ひっくり返す。
・生地が熱いと生クリームが溶けてしまうので、必ず常温までスポンジを冷ます。
・ひっくり返す際に割れそうで不安な場合は、ラップをかぶせてから、まな板や天板などをのせてからひっくり返す。
2、クッキングシートをはがす。
3,泡立てた生クリーム(ホイップクリーム)をのせ、平らに塗り広げる。
・巻き始める手前をやや厚め、巻き終わりになる奥をやや薄めに生クリームを塗ると巻きやすくなる。
4、手前から奥に向かって巻く。
・表巻きの場合、ここでスポンジの表面がひび割れてしまったり、剥がれてしまったりして失敗することが多い。
・表面にひび割れやハゲができて気になる場合は、追加で生クリーム(ホイップクリーム)を立てて、表面をナッペしてしまう。焼き面のハゲの場合は、指の腹で撫でるように表面をなで、焼き面を全て剥いでしまうという手もある。
5、巻き終わりが下になるように形を整え、冷蔵庫で冷やす。(30分以上)
6、温めた包丁で両端を切り落とす。
・両端の生クリーム(ホイップクリーム)に穴が開いている場合は、うめてからカットすると断面が綺麗になる。
【おまけ ~裏巻き~】
※上記の【製法②】までは同じ
1、スポンジが冷めてから、まな板や天板など平らなものをのせ、ひっくり返す。
2、クッキングシートをはがし、ラップをかぶせ、もう一度ひっくり返す。
・ひっくり返す際に割れそうで不安な場合は、ラップをかぶせてから、もう一枚まな板や天板などをのせてから同じようにひっくり返す。
3、泡立てた生クリーム(ホイップクリーム)をのせ、平らに塗り広げる。
4、手前から奥に向かって巻く。
5、以降は表巻きと同じく、冷やして切る。
・まだらに残った焼き色は、指の腹でなでるとポロポロはがれる。
・追加で生クリーム(分量外)を立てて、ナッペしてもOK。